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シリコン・ラボ、開発者向けカンファレンス「Works With」で IoTの未来の到来を告げる

IoTの先進企業シリコン・ラボが製品ポートフォリオをMatter、Wi-SUN、Amazon Sidewalk、Wi-Fi 6に拡大

よりコネクテッドな世界のために安全かつインテリジェントなワイヤレス技術を提供する先進企業のシリコン・ラボは、米国時間2022年9月13日、MatterAmazon SidewalkWi-SUNWi-Fi 6などの一連の新製品を発表しました。IoTのイノベーションとトレンドを推進する新製品群は、マルチプロトコル対応・相互運用性・堅牢なセキュリティを誇る同社の製品ポートフォリオをさらに拡大します。

シリコン・ラボが毎年開催する開発者向けカンファレンス「Works With」の開会基調講演において、同社CEOのマット・ジョンソン(Matt Johnson)はIoT時代が既に到来している現状について述べました。シリコン・ラボの製品が持つ広範な技術力や深い専門性、ワイヤレスIoT市場への注力について述べ、同社がワイヤレスIoT特化型企業としてマーケットリーダーの地位を確立し、市場の発展に大きく寄与している点に触れています。

ジョンソンは以下のように述べています。「2025年には、常時接続されたIoTデバイスの数は270億台に上ると予測されています。人口一人あたり3、4台のデバイスを持つ計算です。当社のシリーズ2製品群が提供する価値とロードマップの焦点をコネクティビティ、相互運用性、省電力、セキュリティに置くことにより、シリコン・ラボはすべてのデバイスに搭載されるにふさわしい位置付けを確保しています」

シリーズ2 SoCファミリーは、IoTの成熟を前提として開発されました。IoTが成熟するに従い、市場の要求は一点集中型のソリューションではなく、ハードウェア、ソフトウェア、セキュリティ、ツール、サポートを組み合わせたIoTプラットフォームに向かうようになるという想定です。市場の変化はこの想定を現実化し、2019年のシリーズ2製品ファミリーの最初の発売以来、シリコン・ラボのIoT製品による収益はほぼ2倍まで伸長しました。シリコン・ラボはこのシリーズ2の成功を基盤としてファミリーを拡大、その中には以下の4つの新製品が含まれます。

  1. 包括的なMatter開発ソリューション群:Matter over Wi-Fi、Matter over Thread、Bluetooth LEのコミッショニング、ZigbeeおよびZ-WaveへのMatterのブリッジに対応しています。今秋予想されるMatter 1.0のリリースに先立ち提供します。
  2. Amazon Sidewalkへの接続に完全対応した初のエンドツーエンド開発プラットフォーム「Silicon Labs Pro Kit for Amazon Sidewalk:Secure Vault™により差別化されたセキュリティ、Sub-GHzおよびBluetooth LE接続性能、Sidewalkデバイスのメーカー・設計者・開発者向けに市場投入の迅速化を可能にする各種ソフトウェアやツールを提供します。
  3. FG25 SoC」および「EFF01フロントエンドモジュール(FEM)」:Wi-SUN用の新しい旗艦SoCとパワーアンプです。これらを組み合わせて使用することにより、人口が密集する都市環境においても、データ損失なく最大3km[i]までのSub-GHz通信が可能になります。
  4. シリコン・ラボ初のWi-Fi 6およびBluetooth LE対応SoCファミリー「SiWx917」:Wi-Fi 6およびBluetooth LEの両方に対応するSoCであり、業界最少の電力消費と最長のバッテリー寿命を実現する設計です。
  • Matter 1.0へのデバイスメーカーの早期対応を支援する、包括的なMatter開発ソリューション群を提供

Matter規格はIoTの新時代を推進する最大の要因のひとつと見なされ、スマートホームの複数のエコシステムを統合するアプリケーション層を提供します。Matterの採用の加速とビジョン実現を目指し、シリコン・ラボは、すべてのエコシステムとワイヤレスプロトコルに使用可能で包括的なエンドツーエンドのMatter開発キットとなる、ハードウェアおよびソフトウェアのMatterソリューションを集めたポートフォリオを発表します。

このプラットフォームの中心を占めるコンポーネントは2.4GHzワイヤレスSoC「MG24」です。これは今年発表・発売されたBluetoothおよびマルチプロトコル用のSoC であり、シングルチップソリューションとしてMatter over Threadに対応しています。MG24はOpenThreadに対する最大200mの屋内有効範囲を持ち、同じチップを使って新しい機器をBluetoothでコミッショニングすることも可能です。MG24はシリコン・ラボの超低消費電力型Wi-Fi製品「RS9116」と組み合わせることにより、Matter over Wi-Fi 4について行った開発を、2023年にシリコン・ラボが提供するWi-Fi 6用シングルチップMatter SoCに容易に移行可能です。

シリコン・ラボのMatterソリューションはすべてSecure Vault™を搭載し、業界最高のIoTセキュリティを備えています。

シリコン・ラボのUnify SDKは、Matterのボーダー・ルーターに使用可能な唯一のマルチプロトコル用ソフトウェア開発プラットフォームです。MatterをZigbeeZ-Waveを含む他のIoTプラットフォームにブリッジするためのツールを提供します。シリコン・ラボのSimplicity StudioとGSDKは、ワイヤレスデバイスでMatterを使用可能にして目的のエコシステムにシームレスに接続するための統合開発環境を提供します。

プロトコルがBluetooth、Thread、Wi-Fi、Zigbee、Z-Waveなどのいずれであっても、シリコン・ラボはMatterをはじめとするスマート機器の主要エコシステムすべてに製品をブリッジするための、ハードウェア、ソフトウェア、開発ツールソリューションを提供しています。Matter対応SoCのMG24、Wi-Fi SoCのRS9116、マルチプロトコル対応のUnify SDK、Simplicity StudioGecko SDKは既に提供を開始しており、開発者・設計者は選択したワイヤレスプロトコルを用いたMatter対応製品の設計に着手できます。

Matter開発キットの詳細は、ブログ記事 「Silicon Labs New Matter Development Platform Simplifies the IoT Ecosystem」をご覧ください。

2.シリコン・ラボAmazon Sidewalkに対応する業界初の包括的なワイヤレス開発ソリューションを提供

シリコン・ラボはワイヤレスコネクティビティにおける先進企業のうち唯一のIoT半導体企業として、ハードウェアとソフトウェア両方を含む包括的なプラットフォームを提供するIoT開発の総合販売店です。シリコン・ラボはAmazon Sidewalk対応のエンドツーエンド開発プラットフォーム「Silicon Labs Pro Kit for Amazon Sidewalk」を発表し、その先進性をさらに推し進めます。Amazon Sidewalkはコミュニティやネットワークに見られる膨大な数の日常的なIoTデバイスが推進するコミュニティネットワークです。

Silicon Labs Pro Kit for Amazon Sidewalkは、Bluetooth LE、Sub-GHz FSKおよびCSSを含むAmazon Sidewalkの全プロトコルに対応する低消費電力で高性能なワイヤレスハードウェア、ソフトウェア用SDK、セキュリティを網羅します。書き込み済みのソフトウェアイメージとAWSへの事前登録が付属して提供されるため、開発者はAmazon Sidewalkの開発工程をすぐに開始でき、セットアップに要する日数を節約できます。Simplicity Studioは、シリコン・ラボのすべてのテクノロジーを対象としたIDE(統合開発環境)で、Amazon Sidewalk開発の第一歩から、認定を受け最終化したコードをガイド付きのエンドツーエンドプロセスに仕上げるまで、開発者を導きイノベーションと作業効率を最大化します。シリコン・ラボとの協業によって、Amazonはコンセプトから立ち上げに至るAmazon Sidewalk開発の拡張性を向上させ、IoTデバイスメーカーにおける時間とリソースの節約を実現しています。

Amazon Sidewalkゼネラルマネージャー兼CTOのタヌジ・モハン(Tanuj Mohan)は次のように述べています。「シリコン・ラボとの協業により、Amazon Sidewalkで我々が構築を行っているセキュアかつユビキタスな常時接続型コミュニティネットワークが推し進めるデバイスや体験の構築について、共に開発者を支援していけることを大変喜ばしく思います。シリコン・ラボから新しく登場するSilicon Labs Pro Kit for Amazon Sidewalkは開発プロセスを効率化し、開発者はAmazon Sidewalkの強化されたコネクティビティ機能を持つ革新的な製品を大規模な形で実現可能です」

シリコン・ラボはまた、OxitとNew Cosmos USA Inc.と共に、Silicon Labs Pro Kit for Amazon Sidewalkにおける初のガス警報器に取り組むことを喜ばしく思います。天然ガス警報器「DeNova Detect」はコネクテッド機能を持ち、リアルタイムでガス漏れを警報します。米国ノースカロライナ州のIoT設計サービス企業Oxitとの協力の下、New Cosmos USA Inc.はこの新しい警報器を、人命救助に貢献する同社の豊富な製品群に追加しようとしています。Amazon Sidewalkによって新警報器が享受するのは、高信頼性・長距離・低帯域通信、長電池寿命、ネットワーク接続コスト不要などのメリットです。今年のWorks Withでは、OxitのAmazon Sidewalk IoT統合プラットフォームとNew Cosmos USA Inc.の新ガス警報器の両方が展示されます。

Amazon Sidewalkデバイスの開発は誰にでも可能ですが、Amazon Sidewalkの接続は、現在米国のエンドコンシューマーとエンドポイント・デバイスにのみ提供されています。Silicon Labs Pro Kit for Amazon Sidewalkはサンプル提供のみ行っており、一般販売は2023年後半を予定しています。

Amazon Sidewalkにおける開発開始の容易さについては、ブログ記事 「New Solution from Silicon Labs Streamlines the Amazon Sidewalk Developer Journey」 をご覧ください。

また、このニュースに関するAmazonの見解と、Amazon Sidewalkの強化された接続性が顧客やコミュニティへの新しい利益の提供にどのように貢献するかについては、Amazonのブログ記事 「Amazon Sidewalk unlocks new community benefits for connected devices」 をご覧ください。

3.新登場の「FG25 SoC」および「EFF01 FEM」はシリコン・ラボ最大の内蔵メモリを備える、世界最高セキュリティの長距離スマートシティソリューション

都市部や市街地環境におけるインテリジェントなコネクテッドデバイスに対する需要の高まりに応えるため、シリコン・ラボでは新しく「FG25 SoC」およびそれと組み合わせて使用するRFパワーアンプ「EFF01」を発表します。

FG25 SoC はWi-SUNやその他Sub-GHzの独自プロトコルのLPWA(低消費電力・広域通信)ネットワーク用の旗艦SoCとして開発され、強力なARM Cortex-M33プロセッサをシリコン・ラボのSoC最大の内蔵メモリと組み合わせています。この大容量内蔵メモリをシリコン・ラボの高拡張性を誇るWi-SUN FAN(Field Area Network)ボーダー・ルーター1.1と組み合わせて使用することにより、FG25の実装を数十万規模のノードで行うことが可能になります。スマートシティにとって理想的なこの拡張性によって、都市計画者や都市工学者は、街灯、カメラ、測候所、スマートメーター、送電システムなどを接続して各種都市サービス間のデータ共有と最適化を実現し、効率性向上とコスト削減を図ることができます。また、市民が都市サービスと相互的に関わり、サービスから得られる価値を増大するための方法をより多く提供することができます。

FG25 SoCと共に、EFF01 RFフロントエンドモジュール(FEM)も同時発売されます。FG25 SoCの出力と通信範囲を増幅するよう設計されたEFF01 FEMは、FG25の有効範囲を2倍に拡大し、人口が密集した都市環境の中でも最小のデータ損失で最大3kmiまでの通信を可能にします。FG25とEFF01は現在サンプル提供のみ行っており、一般提供の開始はそれぞれ2022年第4四半期と2023年第2四半期になる見込みです。

FG25とEFF01が都市のインテリジェント化にどのように貢献するかについて、詳しくはブログ記事「Secure Sub-GHz SoC Ideal for Wi-SUN Smart City Applications」をご覧ください。

4.セキュアで超低消費電力のWi-Fi 6 およびBluetooth LE対応コンビネーションSoC「SiWx917」を発表

Deloitteの「2022 Connectivity and Mobile Trends Survey」(2022年コネクティビティおよびモバイルに関するトレンド調査)では、米国の一般的な家庭で最高22台のコネクテッドデバイスを所有していることが明らかになりました。この数字は今後も増えることが予想されます。デバイスの密度の増大は新たな課題の登場につながり、その対応に向けてWi-Fi 6は設計されています。要件の多いWi-Fi環境の中で求められる能力、効率性、通信範囲、性能を提供するためです。

課題解決に向け、シリコン・ラボではセキュアで超低消費電力のWi-Fi 6およびBluetooth LE対応コンビネーションSoCである「SiWx917」を発表しました。シリコン・ラボ初のWi-Fi 6ソリューションです。SiWx917はMatter対応が可能なシングルチップソリューションで、アプリケーションプロセッサを搭載し、業界トップクラスのエネルギー効率を提供することにより、バッテリー駆動もしくはエネルギー高効率でクラウド常時接続のIoTデバイスに理想的です。

密集したワイヤレス環境で高いパフォーマンスを実現するためのWi-Fi 6対応に加え、SiWx917はデュアルコアアーキテクチャ、ワイヤレス接続用クアッドスレッドThreadArch®プロセッサ、ユーザーアプリケーション処理用のARM Cortex M4Fを搭載しています。また小さなパッケージの中に、埋め込みSRAM、フラッシュ、AI/MLアクセラレータ、強化されたPSAレベル2認証セキュリティエンジン、パワーマネジメントサブシステムを収めています。SiWx917は完全統合型のSoCであり、そのデザインは、卓越した処理能力、高速な機械学習処理、クラス最高のセキュリティ、ワイヤレススタックおよびアプリケーションの実行に十分なメモリ、バッテリーを長寿命化するための超低消費電力を実現します。これにより開発コストとデバイスフットプリントが抑えられ、アプリケーションの将来性への保証と、市場投入までの時間短縮が促されます。

SiWx917は現在サンプル提供のみを行っており、一般提供開始は2023年第3四半期初めを見込んでいます。 

MatterにとってWi-Fiが極めて重要である理由については、ブログ記事「Wi-Fi 6:  Addressing the Greater Density of Wi-Fi IoT Devices」をご覧ください。

シリコン・ラボの開発者向けカンファレンス「Works With」にご登録を

シリコン・ラボが毎年開催するWorks Withでは、以上のような発表をはじめとするさまざまなイベントをご用意しています。Works Withは市場にインパクトをもたらすコネクテッドデバイス開発のためのスキル構築を目的とし、より一体的なワイヤレス体験に向けた動きを先導するテクノロジーブランド、デバイスメーカー、アライアンス、開発者、ワイヤレス規格およびエコシステムプロバイダーが一堂に会する、第一級の開発者向けカンファレンスです。

参加登録は無料、セッションはすべてのタイムゾーンから参加が可能です。Works Withの日程表で75を超える技術セッション、10の実践ワークショップなど詳細をご確認ください。ABI ResearchやAmazon、Edge Impulse、Google、Kudelski IoT、mioty alliance、MYSPHERA、OMDIA、Oxit、Schneider Electric、SensiML、Tigo Energy、Wi-SUN Allianceなどの企業幹部を含む、150人を超えるSME(内容領域専門家)に関する詳細もご確認いただけます。Works With開催後にセッションをオンデマンドで視聴いただくことも可能です。

シリコン・ラボについて

シリコン・ラボ(Silicon Labs、NASDAQ: SLAB)は、よりコネクテッドな世界のために安全かつインテリジェントなワイヤレス技術を提供するリーダーです。当社は、統合型ハードウェアとソフトウェア・プラットフォーム、直感的な開発ツール、比類のないエコシステム、堅牢なサポートにより、高度な産業、商業、家庭、およびライフ・アプリケーションの構築において理想的で長期的なパートナーとなることができます。当社は、開発者が製品ライフサイクルを通じて複雑なワイヤレスの課題を解決し、業界を変革し、経済成長と生活改善を実現するための革新的なソリューションで、市場への迅速な投入の簡素化を容易にします。詳細はwww.Silabs.comをご参照ください。


[i] 郊外のLOS環境での社内試験に基づく